認知症外来(もの忘れ外来)

認知症外来
(もの忘れ外来)

今の状態を知り、未来に備えるための第一歩

最近、「あれ?」と戸惑うことはありませんか?

探し物が増えたり、今まで簡単にできていたことが少し手間に感じられたり・・・。

それが単なる年齢のせいなのか、何かのサインなのか、ご自身やご家族だけで判断するのはとても難しいことです。

認知症外来の受診は、今の状態を正しく知り、未来に備えるための第一歩です。

当院は多くの症例に基づいて、わずかな変化を見逃さない診断をモットーとしています。

認知症の症状が気になる方はご相談ください。

もしかして認知症?
2つのサイン

認知症初期や発症前の症状として

があります。

これらの症状は実に様々で、急に落ち込んだりイライラするけれど、「年のせい」「ストレス」「疲れているだけ」と見逃されてしまうことが多くあります。

特に、うつ病の中に潜む「軽度行動障害(MBI)」は、自分だけで正しく症状を把握する事はできません。

(行動の変化)認知症の初期段階
軽度行動障害(MBI)とは?

認知症の初期段階において記憶力の低下よりも先に現れる、50歳以降に始まる持続的な行動や性格の変化(意欲低下、感情の不安定、社会的不適切さなど)が起こる状態(Mild Behavioral Impairment)です。

症状がうつ病に似ているため、精神科に行っても発見されぬまま、アルツハイマー型認知症に進んでしまう恐れがあります。

(記憶力の低下)認知症の一歩手前
軽度認知障害(MCI)とは?

健康な状態と認知症の中間(一歩手前)に位置し、記憶力など認知機能の低下はあっても日常生活は自立して送ることができる状態(Mild Cognitive Impairment)です。

放置すると高い確率で認知症へ進行するため、できるだけ早い段階で治療を開始することが大切です。

認知症は治らない病気と思われがちですが、早期に適切な治療を行えば健康な状態に戻る可能性が約16〜41%あります。

●【参考文献】国立研究開発法人国立長寿医療研究センターより

あたまとからだを元気にするMCIハンドブック p11.(外部pdf)

認知症"発症"の危険要因

医学雑誌ランセット発表
認知症 14の発症要因

世界で最も評価の高い五大医学雑誌の1つ「ランセット」(The Lancet)が組織する特別委員会は、2017年以来認知症発症の原因解明に関する研究結果を報告しています。

この報告を応用し東海大学の研究グループによる日本における認知症予防に関する研究も行われ、日本において、各年齢層に応じて発症要因になりうると発表されたものは以下の通りです。

データの詳細と参考文献

「ランセット」(The Lancet)が組織する特別委員会によって、これら危険因子への対策を講じることで世界の認知症の約45%が予防可能であるとの結果が報告されました。

この報告を応用し東海大学の研究グループによる日本における認知症予防に関する研究[※2]も行われ、日本における最大の危険要因は「難聴」で、次いで「運動不足」「高LDLコレステロール」であることも特定されています。

またこれら14の要因をすべて改善することができれば、日本においては認知症の38.9%が理論的に予防可能であるとの推定もされています。

  • 高年齢層(66歳以上) 社会的孤立:3.5%
    大気汚染:2.5%
    未治療の視力障害:0.6%
  • 中年齢層(45~65歳未満) 難聴:6.7%
    身体的不活動:6%
    高LDLコレステロール:4.5%
    糖尿病:3%
    高血圧:2.9%
    うつ病:2.6%
    喫煙:2.2%
    過度の飲酒:1.3%
    頭部外傷:0.8%
    肥満:0.7%
  • 若年齢層(45歳未満) 低学歴(勉強時間が比較的少ない環境)1.5%

[※1]Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet Standing Commission. Lancet 2024;404(10452):572-628. DOI:10.1016/S0140-6736(24)01296-0

[※2]The potential for dementia prevention in Japan: a population attributable fraction calculation for 14 modifiable risk factors and estimates of the impact of risk factor reductions / Wasano, Koichiro et al. / The Lancet Regional Health – Western Pacific, Volume 66. DOI:10.1016/j.lanwpc.2025.101792

認知症予防のためにできること

14の要因をすべて改善することができれば、日本においては認知症の38.9%が理論的に予防可能であるとの推定もされています。

まずは、今の自分にできる身近なことから一つずつ積み重ねていくことが非常に重要と言えます。

●「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」を具現化するための取り組み

2024年に施行されたこの法律を具現化するため、野々村クリニックは認知症を「治療すべき病気」という視点だけでなく「共に生きる社会の課題」として、国や地域の医療介護行政と連携しながら向き合います。

認知症の早期診断
(症状があれば保険適用)

世界で最も多く行われている
MMSE検査

MMSE検査は世界で最も多く行われている、質疑応答や、図形を模写したり文章を書いたりする認知症の検査です。

認知症患者さまの中で最も多い「アルツハイマー型認知症」は、個人差はあるものの多くはゆっくりと進行していきます。働き盛りの40代や50代で発症する方もいます。

今は、症状の進行を遅らせるお薬もありますし、日々の生活の工夫によっても進行を抑えることができます。

検査だけでなく、検査後の患者さまをしっかりと見守ることが野々村クリニックの目指す地域医療です。

脳萎縮評価支援システム(VSRAD/ブイエスラド)導入
MRI機器での精密検査

認知症は、早期に発見し適切な対応をとることが何より大切です。その診断の要となるのがMRI検査です。MRIでは、脳の形や萎縮の状態を詳しく確認できるほか、他の治療可能な脳の病気がないかをしっかりと見極めることができます。

さらに当院では、「脳萎縮評価支援システム(VSRAD/ブイエスラド)」というMRI画像解析システムを導入しています。

これにより、記憶をつかさどる「海馬傍回(かいばぼうかい)」の萎縮度を客観的に評価することができ、「アルツハイマー型認知症」の早期発見に大変有益です。

この解析で異変が見つかった際、速やかに認知症疾患修飾薬(DMT)による治療に移行できる体制が整っている施設であることも当院の強みです。

● 計3名の専門医によるトリプルチェック体制を確立!

撮影したMRI画像は、必ず脳神経外科医(野々村・長久)がダブルチェックを行います。

さらに、藤田医科大学放射線科講師の真木浩行医師も加わり、計3名の専門医によるトリプルチェック体制も確立しました。

認知症の治療
(保険適用)

アルツハイマー病の新薬
認知症疾患修飾薬(DMT)とは

アルツハイマー病の新薬「レケンビ(レカネマブ)」や「ケサンラ(ドナネマブ)」は、認知症の原因物質であるアミロイドβに直接働きかけることで、認知症の進行そのものを遅らせることが可能な認知症疾患修飾薬(DMT)です。

DTM治療は、月に1~2回の投与を12~18ヶ月継続する専門的な治療プログラムとなります。

「軽度認知障害(MCI)」または「早期アルツハイマー型認知症」の方が対象です。

● この治療ができない方もご安心ください。

症状の進行を穏やかにするための適切な治療に加え、認知症に伴う不安や周辺症状(BPSD)に対する精神科的ケアまで、多角的にサポートする体制を整えています。

DTM治療のフォローアップ施設です!

初回投与をご希望の場合は、当院にてMMSE検査やMRI検査を実施し、適応を確認したうえで「DMT治療を実施するための初回導入施設」をご紹介いたします。

初回導入施設で治療を開始され、治療開始から6か月経過後の方に限り、当院での継続治療が可能です。

当院の医師(野々村・長久)は、厚生労働省のガイドラインに基づくアルツハイマー病治療薬の投与資格条件を満たしております。

レケンビ・ケサンラ 研修修了
  • 2026年2月16日
    日本イーライリリー株式会社提供:ケサンラARIA eラーニング「アミロイド関連画像異常(ARIA)の概要とマネジメント」の受講を完了(野々村医師)
  • 2026年2月15日
    エーザイ株式会社主催「アミロイド関連画像異常(ARIA)の概要と対策(解説付き動画)」の受講を完了(野々村医師)
  • 2026年2月8日
    エーザイ株式会社主催「アミロイド関連画像異常(ARIA)の概要と対策(解説付き動画)」の受講を完了(長久医師)
  • 2026年2月8日
    日本イーライリリー株式会社提供:ケサンラARIA eラーニング「アミロイド関連画像異常(ARIA)の概要とマネジメント」の受講を完了(長久医師)
  • 2026年2月4日
    一般社団法人日本認知症学会、公益社団法人日本老年精神医学会
    日本認知症学会・日本老年精神医学会2学会合同レケンビ・ケサンラ両OUG対応「アルツハイマー病の病態、診断、抗Aβ抗体薬の投与対象患者及び治療に関する研修」受講を完了(野々村医師)

DTM治療の流れ

「軽度認知障害(MCI)」または「早期アルツハイマー型認知症」の方が対象です。

ARIA(アリア)について
知っておいてほしいこと


DMT治療薬を使用した際に現れる脳のむくみや微小出血のような変化が「ARIA」です。まれに頭痛・混乱・視覚の変化などが起こることがあります。

ARIAのほとんどは症状が出ないため、MRI検査でしか見つけられません。そのため、以下のタイミングで必ずMRI検査を行い、その後も定期的にMRI検査を実施する必要があります。

  • レカネマブ:5、7、14回目の投与「前」
  • ドナネマブ:2、3、4、7回目の投与「前」

MRI検査でARIAが見つかっても、程度が軽く症状がない場合は経過確認しながら治療を継続することができます。

症状がある場合・MRI画像での変化が大きい場合は一旦治療を休止し、再度MRI検査で回復を確認してから投薬の再開を検討することになります。

こんな症状が出たらすぐに受診を

治療中に以下の症状が現れた場合は、速やかに連絡・受診してください。

  • 突然の頭痛・混乱・ふらつき
  • 視覚の変化・言葉が出にくい
  • けいれん・手足の脱力
この治療はチームで支えます。

当クリニックでは、脳神経外科専門医・放射線技師・看護師が連携し、ARIAの早期発見と安全な治療継続をサポートします。

アルツハイマー病の新薬「レケンビ」「ケサンラ」の投薬治療にご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

DTM治療のQ&A

Q 家族が治療に反対しています。説得してもらえますか?

A 認知症の症状には個人差がありますが、どなたの場合もご家族のサポートが必要になることが多い疾患です。認知症疾患修飾薬(DMT)治療には長期間の通院が必要となりますので、ご本人はもちろん、ご家族の同意もあってこそ取り組める治療だと考えます。患者さまご本人とご家族にとって、一番良い方法を一緒に考えましょう。

Q 認知症の症状があれば、誰でもレケンビやケサンラの治療を受けられるのですか?

A いいえ。認知症の症状があっても脳内にアミロイドβの蓄積が確認されなければ治療の対象外です。その他にもMRIでFazekas分類グレード3以上の深部皮質下白質病変(DWMH:Deep White Matter Hyperintensities)やT2スター陽性で脳アミロイド血管症(CAA)が確認される場合は治療の対象外となります。対象となる疾患・対象外となる疾患についても詳しくご説明しますのでご安心ください。

Q 初期導入施設とは何ですか?

A 認知症疾患修飾薬(DMT)治療の初回から点滴を実施することができる医療機関(病院)です。この治療ではお薬の作用に伴い、脳のむくみ(ARIA-E)や症状の出ない微小な出血(ARIA-H)があることが確認されていますが、特に初回~3回目程度までの点滴時に高い確率で現れることが報告されています。そのため治療開始にあたっては入院設備のある医療機関で実施することが定められています。

Q 治療期間中、ずっと初期導入施設に行かなければならないのですか?

A いいえ。初回点滴開始から6か月を経過し症状が安定していれば、その後は点滴実施の体制を整えている医療機関(フォローアップ施設)での継続治療が可能です。当クリニックはフォローアップ施設に認定されています。

Q 髄液検査やPET検査は絶対に必要なのですか?

A はい。現時点では認知症疾患修飾薬(DMT)治療の対象となる「軽度認知障害(MCI)」または「早期アルツハイマー型認知症」であることを診断するため、いずれかの検査が必ず必要です。

Q タウたんぱく質が多いと治療効果がないと聞きました。本当ですか?

A 神経細胞の中に含まれるタウたんぱく質の濃度が高いほど認知機能が低下しやすく、治療時に脳出血などの副作用が起きやすいという報告が出ています。認知症疾患修飾薬(DMT)は病気のごく初期(軽度認知障害~軽度認知症)に使うことでより高い治療効果が認められており、臨床試験でも脳の萎縮やタウたんぱくの蓄積がまだ少ない段階の方ほど、認知機能の低下を抑えられる傾向が見られています。

【参考文献】Higher phosphorylated tau levels predict cognitive decline and amyloid-related imaging abnormalities during lecanemab treatment: clinical practice data DOI:10.1186/s13195-025-01912-6

Q 製薬会社の公式サイトはありますか?

認知症治療のハブ(拠点)として

当院は、高度な専門検査から日常のケア、そして将来の生活支援までをつなぐ「地域医療のハブ(拠点)」としての役割を担っています。

高齢化により今後も増え続ける認知症の患者さまやご家族をサポートするため、聖霊病院の岩田樹先生(精神科医)と共に、認知症の精神科的ケアまでカバーしています。

他の医療機関さまとも、形式的な紹介状のやり取りだけでなく、顔の見える実連携を行っています。

認知症の診断や治療は、日々進化しています!

医療の進歩は目覚ましい勢いで進んでおり「血液検査によるアルツハイマー病診断」の報告も相次いでいます。

The Lancet(2025年[※1])は、血液バイオマーカー診断の臨床検証をまとめ、診断精度が 90~95%に到達可能であると報告していますし、Nature Medicine(2025年[※2])では、血漿中のタウたんぱく質を全自動プラットフォームで測定する研究が発表されています。

どちらもPETや髄液検査に匹敵する精度を示しており、日常診療への導入もいずれ現実になりつつあると言えます。

初期診断からDMT治療(レケンビ・ケサンラ)、その後の長い療養生活まで、患者さまとご家族がこの街で安心して過ごせるよう、地域全体でお支えする体制を整えています。

参考文献

[※1]New landscape of the diagnosis of Alzheimer's disease DOI:10.1016/S0140-6736(25)01294-2

[※2]Plasma phospho-tau217 for Alzheimer's disease diagnosis in primary and secondary care using a fully automated platform DOI:10.1038/s41591-025-03622-w

将来の認知症リスクを知ろう!
自費検査

脳の健康を見える化する検査のご案内(自費診療)

名古屋市の
認知症サポート

野々村クリニックは、名古屋市もの忘れ検診の実施医療機関、自立支援医療の指定医療機関です。国や地域の医療介護行政と 積極的に連携しています。

(ステップ1)名古屋市もの忘れ検診
簡易検査で認知機能の低下をチェック

名古屋市内にお住まいで、今年度65歳以上になる(まだ認知症と診断されていない)方はどなたでも無料で検診を受けられます。

認知症は早期発見・早期対応が大切な病気です。もの忘れ検診を定期的に受け、認知症の適切な予防や治療のきっかけとしましょう。

(ステップ2)名古屋市もの忘れ検診
精密検査で認知症の診断

簡易検査の結果、認知機能の低下がみとめられる場合などは、精密検査の受診をご案内しています。

名古屋市ではもの忘れ検診にかかる精密検査費用の自己負担額を助成する制度があります。

詳しくは、名古屋市の公式ウェブサイトをご確認ください。

認知症と診断されたら
自立支援医療の助成を受ける

認知症の治療は長期にわたるため、通院医療費の自己負担分を軽減する制度「自立支援医療」の助成を受けられます。

この助成を受けることで、自己負担は原則1割となります。

※認知症治療の通院に限ります。健康保険の加入が必要です。

さらに「高額治療継続」の制度により、所得や治療状況(重度かつ継続)に応じ、月額負担に上限が設定されます。

詳しくは、名古屋市の公式ウェブサイトをご確認ください。

認知症と診断されたら
なごや認知症の人 おでかけあんしん保険事業に加入する

「なごや認知症の人 おでかけあんしん保険事業」は、認知症の方とご家族が安心して暮らせるまちづくりを推進するため、名古屋市が実施している事業です。

名古屋市民で認知症の診断を受けている方は、認知症の方が起こした事故に関する損害賠償等を補償する保険に無料で加入することができます。

詳しくは、名古屋市の公式ウェブサイトをご確認ください。