頭痛外来
患者さんと共に目指す頭痛治療
気が付けば頭痛のない日々を目指して
仕事や日常生活を妨げられるほどの頭痛に悩まされ、鎮痛剤が手放せないにもかかわらず『体質だから』とあきらめている方が多くおられます。
特に女性は、片頭痛を『生理や更年期による症状の一部』として我慢している方が多いことも実情です。
そんな方々に是非知って頂きたいのは適切な治療によって頭痛症状がかなり軽減されるという事です。
まずは予防薬(頭痛薬ではない)を取り入れながら、痛み止め(市販の鎮痛剤とは異なり薬物依存のリスクが低い)も併用して症状の軽減をはかります。
療法や処方した薬が患者さんに合っていれば、数ヶ月程度で治療効果が現れます。ただし、頭痛がまったくゼロになるわけではありません。起こる頻度が少なくなり、気が付けば頭痛のない日が続いている・・・という状態を目指します。
頭痛の治療は、患者さんの 『頭痛を治したい』 という前向きな気持が不可欠です。なぜなら、頭痛を引き起こす要因(不規則な生活・ストレスなど)を排除していく事・・・つまり生活習慣の見直しも不可欠だからです。
患者さん自身が症状改善に向けて積極的に取り組んで頂くことが頭痛治療で最も大切なことです。野々村クリニックはそんな患者さんを全力でサポートします。ご一緒に頑張りましょう。
2023年夏、スタート予定!
慢性頭痛予約外来/WEB頭痛相談室
2023年夏頃より、野々村医師による『慢性頭痛予約外来』『WEB頭痛相談室』(何れも有料)を開始予定です。
正確な頭痛病型診断を受けた後の適切な予防・治療方法や、生活のアドバイスを定期的に受けていただけます。
詳細が決まり次第本サイトにてお知らせいたします。
治療のすすめ方
命にかかわる頭痛を排除!治療に専念できる環境です。
野々村クリニックでは、患者さんに記入して頂いた問診票、それを踏まえた看護師による再問診を経て、医師が患者さんからより詳しくお話を伺い頭痛の診断を行っていきます。
私共は脳の専門クリニックとして、命にかかわる危険な頭痛を常に念頭においた頭痛治療が可能です。
その上で、患者さんと共に頭痛治療を行っていくのですが、痛みのコントロールはかなり進化しています。
特にここ数年、『片頭痛』のコントロールは劇的に進化しており、多くの方が救われています。
頭痛タイプに合った『お薬の選び方』『服用タイミングの見極め』『片頭痛は予防注射も視野に入れて』 頭痛症状の軽減を目指します。
『片頭痛』の脳疾患・認知症のリクスについて
頭痛タイプの中でも『片頭痛』をお持ちの方は脳疾患・認知症のリスクが高いことが分かっています。
- 若年層には少ないはずの脳梗塞が片頭痛の方には増加する場合がある。
- 片頭痛が脳を縮める要因の一つであり、アルツハイマー型認知症発症リスクが2.49倍。(※)
- 片頭痛は全ての認知症のリスクを34%上昇させる。(※)
上記のエビデンス(正しい証拠)は、ほんの一例です。専門分野だからこそ、危険な脳疾患・認知症状などを念頭において頭痛治療を進めています。
※医学誌『Acta Neurologica Scandinavica』オンライン版2021年9月15日号に掲載された『片頭痛と認知症のリスクにおけるメタ解析(Meta-analysis of association between migraine and risk of dementia)』より抜粋
あなたの頭痛、どのタイプ?
発症原因
緊張型頭痛は、『筋肉の緊張』『心のストレス』などから発症します。
症状
軽い痛みが短時間から数日続くことが多く、日常生活のパフォーマンスを低下させます。頑張れば動ける方も多いため、無理をされてお辛いと思います。
予防・痛みへの対応
予防については、生活習慣の見直しが基本です。
『筋肉の緊張を和らげるお薬』『不安を和らげるお薬』などを処方する場合もあります。
患者さんの体質を合った処方が見つかれば、頭痛のない日を増やすことが可能です。
痛み止めは、胃に負担の少ないお薬を用います。
発症原因
片頭痛は、光や音・ストレスといった何らかの刺激によって、三叉神経からCGRPが放出され、脳を包む硬膜の血管がそれを受け取ることで痛みを感じることが分かっています。
症状
ズキンズキンと脈打つ強い痛みで、片側だけでなく両側でも起こります。悪心・嘔吐を伴うこともあり、寝込んでしまう方も多いです。
予防・痛みへの対応
予防については、CGRPの働きを阻止する飲み薬タイプの予防薬と 注射タイプの予防薬があります。
痛み止めは片頭痛だけに効く画期的な痛み止めがあります。
できるだけ『予防薬』の段階で頭痛がコントロールできる状態を患者さんと共に目指します。
発症原因
混合型頭痛は、緊張型頭痛と片頭痛の両方の要因が複雑に絡み合って発症します。
症状
- ある日は、緊張型頭痛で 一日中頭が重く
- 別の日は、緊張型頭痛から 片頭痛へ移行して 仕事が手につかず
- さらに別の日は、午後から片頭痛が始まり、トイレで吐いて寝込んでしまった。
という具合です。
予防・痛みへの対応
予防については、頭痛日記を付けて頂き、ご自身の頭痛傾向を知る事が第一歩です。
緊張型頭痛を持ちながら『片頭痛』もあわせ持っている場合は、片頭痛の予防薬が使えますので、そういった意味でも記録は大切です。
『筋肉の緊張』『心のストレス』を軽減することで緊張型頭痛を減らし、『片頭痛の予防薬』を上手く使用しなら頭痛コントロールを行っていきましょう。
発症原因
群発頭痛は、未だ原因が明らかになっていません。
症状
突然の耐え難い強烈な痛みが、左右どちらかの眼部中心に発症し、患者さん自ら医療機関に掛け込むケースがほとんどです。
予防・痛みへの対応
予防については、(原因が明らかでないため)残念ながらありません。
世界でも患者数が少ないため、どの医療機関でも『群発頭痛』の判断には時間を要します。
診断がつけば、あらゆる手段を用いて『痛みを取り除く』ことを行います。
発症原因
入手しやすい市販薬で強い頭痛が治った経験から、やがて軽い頭痛でも服用するようになり、脳が些細な痛みに過剰反応(わざわざ痛みを気付きに行く)するようになり、頭痛が常態化してしまいます。
症状
月の半分以上が頭痛、中には毎日頭痛の方もおられます。
予防・痛みへの対応
患者さん合った予防薬・痛み止めを 『医師の指示に従って服用』することを行います。
もちろん、薬物乱用頭痛のリスクはありません。
患者さんご自身にも生活習慣の改善を行って頂きながら、乱用を断ち切り、普通に過ごせる日々を増やしていきましょう。
片頭痛の解説 メディア出演
2022年12月17日(土)20時54分から『あなたの頭痛 片頭痛かも』というテーマでお話しました。
フリーアナウンサーの木佐彩子さん司会のもと、『あなたの頭痛 片頭痛かも』というテーマでお話しました。
体質だから・生理の一環だから・病院に行くほどではない・・・と思われがちな片頭痛ですが、『そもそも片頭痛とは何か』『実際の症状』『診断の基準』『正しい治療法等』を資料を交えて解説しました。
- 先生、片頭痛の『片』という字は片側の『片』という字なので、てっきり頭の片側に起こる頭痛と思っていたのですが?
- 基本的には、片側に起こる頭痛と考えていただいて間違いはありません。しかし、実際のところ、片側だけではない異なる症状があらわれることも少なくありません。
片頭痛専用の薬は医療機関でのみ処方されますが、本当はひどい片頭痛なのに自分でそうではないと思い込み、市販薬でしのごうとする方がいます。すると、十分な効果が得られず、つい用法用量を守らずに薬を飲みすぎることがあります。月に10日以上頭痛薬を飲むようになると、片頭痛とは別の頭痛を引き起こすおそれがあるといわれています。
片頭痛の『実際の症状』をきちんと知り、専門の医療機関で適切な治療を受けることで、頭痛のない日常を送れる可能性があります。 - ではその、片頭痛の『実際の症状』とはどういったものなのか、詳しく教えてください。
- はい。最初に、片頭痛の診断基準をお示しします。上記の表の【1】【2】【3】に当てはまる頭痛を、今までに5回以上経験したことがある場合を、片頭痛と診断するのが基本です。
【2】の項目のうち『2つ以上』とありますが、人によっては当てはまらない項目もあります。また、最初にお話した通り、片頭痛はその字から勘違いされがちですが、頭の両側に痛みが起こる方が、実は4割くらいいます。
【3】の項目は、多くの方に当てはまるようです。痛みに伴って、吐き気がしたり、吐いたり、光や音を必要以上につらく感じるという付随症状が出る方は多いです。
なお、ここにはありませんが、実は『肩こりも付随する症状としてあらわれる』ことがあります。それによって、肩こりから起こることがある『緊張型頭痛』という別の頭痛と誤解されるケースも少なくありません。 - 片頭痛といっても、症状は様々なんですね。
- はい。
そのほか、片頭痛は比較的女性に多い病気で、月経周期との関係も深く『生理の一環だ』という間違った思い込みをされている方も少なくありません。
また、家事や育児が忙しいからと我慢してしまう方が多いのも現実です。 - 自分の頭痛を正しく理解して、適切な治療を受けることが大切ですね。
- その通りです。
今はネットなどから様々な情報が手に入りますが、日本頭痛学会をはじめとする正しい情報源から知識を得ることが大切です。
また、頭痛には思わぬ病気が隠れているおそれもあります。
つらい頭痛や吐き気などのせいで、仕事を休んだり、寝込んでしまうなど、たびたび生活に支障をきたしている場合には、ぜひ一度、頭痛専門医を受診していただきたいと思います。 - 先生、きょうはどうもありがとうございました。
- ありがとうございました。
片頭痛は予防する時代
片頭痛は、光や音・ストレスといった何らかの刺激によって、三叉神経からCGRPが放出され、脳を包む硬膜の血管がそれを受け取ることで痛みを感じることが分かっています。
その『CGRP』の働きを阻止する予防薬には、飲み薬 と 注射があります。
痛む前に予防することが片頭痛治療のスタンダードになっています。
片頭痛(予防)飲み薬
片頭痛は、光や音・ストレスといった何らかの刺激によって、三叉神経からCGRPが放出され、脳を包む硬膜の血管がそれを受け取ることで痛みを感じることが分かっています。
トリプタン錠は、CGRPが放出されるのを止める "特効薬"です。
ご自身の傾向が分かってくると、効果的なタイミングで服用することが可能になります。
トリプタンが使われ始めて20年以上が経過しますが、重篤な副作用の報告はほとんどなく安全性が高いお薬です。様々な種類があるため、患者さんの体質に合うトリプタン錠を一緒に探していきましょう。
なお、効果が約1ヶ月間も持続する予防注射もあります。
片頭痛(予防)注射
約月1回の注射で予防する『エムガルティ』『アジョビ』『アイモビーク』
片頭痛は、光や音・ストレスといった何らかの刺激によって、三叉神経からCGRPが放出され、脳を包む硬膜の血管がそれを受け取ることで痛みを感じることが分かっています。
- 放出したCGRPを無力化する注射 『エムガルティ』『アジョビ』
- 放出したCGRPを受け取らせない注射 『アイモビーク』
の登場で、片頭痛症状を予防できる時代になりました。これらの注射で救われる患者さんは多いと思います。
片頭痛治療を受けられている方は、診察の際にご相談ください。
初診の方、他院で治療を受けられていた方につきましては、片頭痛があるかどうかを知るところからはじめます。
エムガルティの事が良く分かる! エムガルティのしゃべる絵本はこちら
片頭痛だけに効く痛み止め
できれば予防したい片頭痛ですが、発症してしまった場合の選択肢として片頭痛の痛み止め『レイボー』が登場しました。
レイボーは、様々な種類の薬の中でも 片頭痛だけに効く画期的なお薬です。
片頭痛発作中のみに使用するお薬で、予防的には使えませんが、
- 服用タイミングを選ばない。
- 脳の神経に特化して作用し、血管には作用しない。
という特徴があるため、予防薬の服用タイミングを逃してしまう方や、狭心症や心臓に持病がある方も飲めるお薬です。
医療費の助成制度を知ろう
保険適応の範囲内で行う頭痛治療について、医療費が高額になった場合には様々な助成制度を受けられる場合があります。
※頭痛治療以外の保険診療についても同様です。
医療費控除
確定申告の手続きを行うことで税金の一部が控除(減額)される制度です。最寄りの税務署にお問合せください。
高額療養費制度
年齢や所得に応じて、保険診療における自己負担の上限額がありますので、その額を越えて払う必要はありません。加入している健康保険にお問合せください。
付加給付
企業などの健康保険組合や共済組合によっては、高額療養費の上限額よりも低い金額を上限と定め、差額分を戻してくれる『付加給付』や『一部負担還元金』など独自の制度を設けている場合があります。加入している健康保険にお問合せください。
頭痛関連リンク
つらい頭痛は我慢しないで 医療機関での治療を選択肢に!
NHK放送局で頭痛の取扱説明書がダウンロードできます。詳しくはこちら外部リンク
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